ウミネコヘブン

伊豆下田暮らし。花屋。園芸屋。編み物、織物、洋裁。狩猟のこと。猫。ときどき登山。レルのこと。

退院の朝

私は水音をスリングで抱いて

そのスタッフパスをもって

ライブ会場へ向った

途中なぜか崖に階段のついたところを

てくてくと登り

上がったところは

公園のアスレチックだったので

障害物に苦労しながら気をつけて下りる

 

やっと到着して

会場内は音が凄いだろうから と

子供用のヘッドフォンを受付でもらおうと尋ねると

スリングて寝てたはずの水音がいない

大慌てで探す 探す

スタッフさんにも声をかけて探してもらう

会場アナウンスもかけてもらう

 

ひとりのスタッフさんが

鳥と喋れると言い出して

鳥が水音ちゃんは大丈夫.と言ってるよと

教えてくれるけど

水音は鳥じゃありません!人間の子供です!

と わたしは叫ぶ

 

走り回って 探して

さっきのアスレチックまで戻ると

ものすごい揺れがきて 津波が襲ってきた

アスレチックの最上部まで上って

水がすぐそこまで来て

 

水音. 水音. 水音. 

水音は見つからない

ものすごい後悔が襲ってくる

どうして あのとき!

崖を登ってきたシーンを思い出す

 

 

夢から覚めた

まだ病院のベッドの上でほっとする

 

わたし

こういう心配や不安や責任を

母となったその日からずっと抱え続けるんだな

水音を目を離してどこかに行ったりなんか

絶対しない

 

夢のはなし